環境への取り組み(E)

環境への取り組み(E)

GLPグループは、施設の設計とオペレーションプロセスを考える中で、省エネルギー施策推進を基本的な考えとしています。既存施設と新規開発の両方において、エネルギーの効率化を推進します。
本投資法人は上記方針に則り、環境に配慮した建物の保有、環境に配慮した設備の導入を積極的に行うとともに、物件取得検討時のデュー・デリジェンス・プロセスの中に、サステナビリティと環境保護についての項目チェックをルール化しており、本投資法人の資産運用業務が、社会におけるサステナビリティと環境保護に配慮したものであるよう最大限の注意を払っています。また本投資法人の運用する施設では、目標値を設定し、施設内のエネルギー・水使用量および廃棄物量のモニタリングを行っています。
さらに共用部における省エネルギー、廃棄物削減に努めるだけでなく、入居企業とエネルギー使用量・廃棄物量を共有し、使用状況に応じた省エネガイドの交付や、敷地内のアイドリングストップ推奨など、入居企業と一体となって環境負荷の低減に努めています。

気候変動への取り組み

本投資法人は、気候変動が世界共通の重要な課題であり、中長期のリスクであることを認識し、グループとして掲げる2050年までのカーボンニュートラルの実現にむけて、本投資法人の資産運用会社であるGLPジャパン・アドバイザーズ株式会社と共に、温室効果ガスの排出削減等による気候変動の緩和と、気候変動による影響を軽減し機会とするための適応に取り組んでいます。

TCFD提言への賛同

資産運用会社であるGLPジャパン・アドバイザーズ株式会社は、金融安定理事会(FSB)により設置されたTCFD(気候変動関連財務情報開示タスクフォース)による2017年6月公表の提言について、2021年8月に賛同を表明し、国内賛同企業による組織である「TCFDコンソーシアム」へ加入しました。

TCFDは、気候関連のリスクと機会がもたらす財務的影響について、投資家を含むステークホルダーに情報開示することを促す提言を公表しています。

また、TCFDコンソーシアムは、TCFD賛同企業や金融機関等が一体となって取り組みを推進し、企業の効果的な情報開示や、開示された情報を金融機関等の適切な投資判断に繋げるための取り組みについて議論する目的で設立された組織です。

TCFD

ガバナンス

本投資法人が資産の運用を委託する本資産運用会社におけるESG(気候変動への対応を含みます。以下同じです。)に関する推進体制は、「ESG方針と推進体制」ページをご参照ください。

戦略

本投資法人では、気候変動リスクが本投資法人に与えるリスクと機会を把握し、それが事業に与える影響を検討するために以下の複数のシナリオを考慮しています。

シナリオ分析

  1. 1.5℃/2℃シナリオ(規制の影響大)
    気候変動抑制のため法規制が厳格化されるシナリオ
  2. 4℃シナリオ(気候変動の影響大)
    気候変動対策が進まず、自然災害が激甚化するシナリオ

リスクと機会の特定

分類 リスクと機会の要因 財務的影響 区分
移行リスク
政策 建築物の省エネ基準の強化、技術の進化による創エネ・省エネの低コスト化 環境性能を高めるための改修費用の発生 リスク
環境性能向上による水動光熱費の削減 機会
炭素税の導入、排出量取引制度の導入 炭素税等の導入に伴うオペレーションコストの増加 リスク
建築物のエネルギー効率評価に関する表示制度の拡充・義務化 環境認証の取得費用等の発生 リスク
市場 ESG意識の高まりに伴う投資家・レンダーのスタンスの変化 ESGを重視する投資家による投資機会の増加、ESGファイナンスによる資金調達コストの低下 機会
カーボンニュートラルを目指す企業の増加 創エネ・省エネ性能の高い建築物の入居率の増加 機会
評判 テナントによる環境性能重視の物件選び
テナントによるBCP重視の物件選び 災害リスクの高い建築物の入居率の減少 リスク
物理リスク
急性 集中豪雨、台風・洪水、土砂災害、高潮の増加 建物の被災による営業機会の損失、修繕コスト及び保険料の増加 リスク
慢性 気温上昇や海面上昇などの気候変化

リスク管理

本投資法人が資産の運用を委託する本資産運用会社におけるサステナビリティに関するリスク管理体制は下記のとおりです。

投資判断時

運用資産の新規投資にあたっては、サステナビリティに特化したデューデリジェンスを実施し、気候変動リスクを含むサステナビリティに関連したリスクの検証を行い、ESG委員会での議論を経た上で、投資委員会にて投資判断を行っています。

運用時

ESG委員会において、気候変動リスクを含むサステナビリティに関連したリスク全般の管理、モニタリングを実施しています。具体的には、保有物件の環境パフォーマンスのモニタリングや、各種目標(詳細は下記「指標と目標」参照)に対する進捗状況の管理を行い、それを踏まえた必要な対策を適宜、検討しています。

指標と目標

保有物件のグリーン化

目標(KPI)
2025年度までに環境認証の取得割合を90%(※)以上とする。
  • 延床面積ベース

グリーンリースの締結

目標(KPI)
今後締結する新規契約についてはすべてグリーンリース条項を盛り込むとともに、2023年中に既存契約も含めすべての契約にグリーンリース条項を盛り込む。

ポートフォリオ全共有部100%LED化

目標(KPI)
2022年中にGLP管理エリアである共有部のLED化を完了させる

共有部使用電力の100%グリーン化

目標(KPI)
所有物件の共用部の使用電力について、2025年までに100%グリーン化を実現。

環境パフォーマンスの向上

目標(KPI)
2021年中に管理権限を持つ物件についてのデータカバー率を100%とする。

再生可能エネルギーへの取り組み

太陽光パネルや風力発電の設置により、再生可能エネルギーを活用しています。

太陽光発電設備

太陽光発電設備

風力発電

省エネルギーへの取り組み

施設の照明LED化をはじめ人感センサーの採用、倉庫部分の点滅区分の設定などにより、物流施設内のエネルギー使用量の削減を推進しています。

照明LED化

人感センサー

また、施設の空調設備更新による省エネ推進のほか、施設の外壁には、建物断熱性能を向上させる断熱パネルを採用するなど、建物内のエネルギー効率を高めています。

空調設備更新

断熱パネル

省エネ診断の取得促進

BELS(建築物省エネルギー性能表示制度:「Building Energy-efficiency Labelling System」)は、新築建物・既存建物に関わらず省エネ法に基づく一次エネルギー消費量を基に第三者機関が省エネルギー性能を評価する制度であり、建築物の省エネルギー性能の一層の向上を促進する役割が期待されています。

GLP 神戸西

GLP 厚木 Ⅱ

水資源への取り組み

テナントの入退去に合わせたトイレ機器の更新の他、雨水・井水の利用を通じて、節水に努めています。

トイレ機器更新による節水

トイレ機器更新による節水

節水コマの設置

節水コマの設

節水コマを設置することでハンドルをひねったとき、蛇口から出る水の量を少なくすることができます。

井水・雨水の利用による節水

井水・雨水を、施設トイレの排水や施設内の植栽に使用し、節水に努めています。

井水・雨水の利用による節水

井水・雨水の利用による節水

廃棄物削減への取り組み

物流機器中古品買取サイト「マテバンク」の運営会社であるハイペリオン社と業務提携し、入居時に安価販売(購入価格5~10%オOFF)と退去時の高価買取(買取価格5~10%UP)を実現。入居者さまの移転・退去に伴うコストの削減をサポートします。

マテバンク

生物多様性

本投資法人は、生態系がもたらす様々な恩恵の重要性を認識し、外構緑化を施設内に設定するなど、その保全に貢献しています。

外構緑化

外構緑化

テナント・PMとの協働による環境への配慮

本投資法人の運用する施設では、目標値を設定し、施設内のエネルギー使用量のモニタリングを行っております。また、共用部における省エネルギー、廃棄物削減に努めるだけでなく、入居企業のエネルギー使用状況に応じた省エネガイドの交付など、入居企業と一体となって環境負荷の低減に努めています。

省エネガイド

ゴミの分別

入居企業との協働によるESGの推進事例(GLP新木場)

DHLジャパンの専用施設であるGLP新木場において、再契約にあたり日本GLPグループ・DHLジャパン両者が密に連携することで、双方にとって持続可能な環境そして社会の発展に貢献できるものとなりました。具体的には、GLP投資法人が太陽光パネルを設置し、LED化をサポートすることで、DHLジャパンがグローバルで推進しているカーボンニュートラルの実現に寄与できることに加え、DHLジャパンにとって電気代の削減も可能になります。また、施設管理を日本GLPに切り替える提案により、日本GLPの全国ネットワークやノウハウを活用し、より効率的な施設運営と施設運営費の削減を実現します。

GLP 新木場

グリーンリース

本投資法人ではテナントとの間で締結する標準的な賃貸契約書にグリーンリース条項を盛り込み、エネルギー・水使用量や廃棄物の削減、ESG目標のグリーンビル認証取得の際の協働といった、環境に配慮した条項を含んだ契約を締結しています。

また、テナントと協同して環境性能向上のための改修を行っており、本投資法人がLED照明、空調更新等の工事を実施することで、環境性能の向上とランニングコストの削減を行っています。

テナント・PMとの協同による環境への配慮

GLP投資法人は、テナント、PM、建物管理会社と協働し、保有物件において様々な環境負荷低減の取り組みを行っております。具体的には、テナントへの検針データ送付による電気消費量の見える化を推進しているほか、定期的なテナント協議会の開催等を通じ、アイドリングストップや節水・節電の呼びかけ等、環境負荷の軽減や水消費量・電気消費量の削減についてテナント等と協力して取り組みを進めています。

テナント協議会の開催

テナント協議会の開催

開発に伴う環境への配慮、地域の活性化

GLPグループでは、環境に配慮し、地域の活性化に貢献する施設の開発を実施しています。

再開発による環境負荷の軽減

再開発による環境負荷の軽減

GLP 浦安 II

  • GLPグループにて、GLP浦安IIの既存施設(B棟)の建て替え再開発を実施
  • 再開発を通じて、新規開発棟の全館LED化や、空調エリアに大型シーリングファンを導入することによる電気使用の削減等により、CASBEE不動産Aランクを取得

開発による地域の活性化

GLPグループでは、物流施設の開発を通じて、地域経済及びコミュニティの活性化に貢献しています。例えば、GLP ALFALINK相模原は、遊休化した工場跡地に4棟の物流施設、1棟の共用棟を建設するという日本最大級の物流施設開発プロジェクトです。開発を通じて、5,000人程度の新規雇用を生み出すなど、地域に様々なメリットを生み出しています。

開発前(工場跡地)

開発前(工場跡地)

開発後(物流施設4棟、共用棟1棟)

開発後(物流施設4棟、共用棟1棟)

開発にあたって、施設で働く人にとって働きやすい環境を整えており、日本の物流関連施設で初めて、WELL認証を取得しています。

また、施設で働く人だけでなく、地域に開かれた物流施設を作るとの考えのもと、地域住民にカフェテリア・レストランの開放、コンビニやカフェの設置を行うとともに、施設内でコミュニティイベントを年間40件程度開催し、1万人以上を集客することにより、地域コミュニティの活性化もにつなげています。

レストラン・カフェテリアの開放

レストラン・カフェテリアの開放

広場と共用棟

広場と共用棟

各種コミュニティイベントの開催

各種コミュニティイベントの開催

汚染防止

不動産関連資産等の取得に当たっては、原則として、売買契約締結までに専門家による環境汚染調査を実施し、運用ガイドラインに基づき、以下の「土壌調査フローチャート」に従って調査・検討を行います。
また、原則として、土壌汚染対策法(平成14年法律第53号)及び関連するその他の環境関連法令、地方自治体の条例又は指導内容に従って、土壌汚染等が適切に処理されている物件を投資対象とします。

さらに、本投資法人を含むGLPグループにおいては、用地、物件等の取得に当たって、ESGに特化した独自のデューデリジェンスを実施し、環境への影響や、地域への影響等を事前にチェックしています。

土壌調査フローチャート

  1. 土地の利用履歴や周辺環境等の概況調査を行い、土壌汚染の可能性及び土壌汚染の可能性がある場合における健康被害が生じるリスクについて、専門家の意見を取得する。
  2. 土壌汚染対策法及び関連するその他の環境関連法令、地方自治体の条例又は指導内容を踏まえ、売主及び専門家等と協議し、汚染状況の確認のための表層土壌調査を行い、可能な限り汚染物質の種類や範囲の特定を行う。
  3. (注2)の土壌汚染状況調査の結果を踏まえ、専門家等と協議し、可能な限り将来発生しうる汚染処理対策費用その他の予想される経済的損失の見積もりを行う。

土壌汚染地での再開発における土壌の修復

GLPグループでは、土地の購入段階において事前に土壌等の調査をしており、通常汚染が見つかることはありません。開発用地において例外的に土壌汚染が見つかった場合には、土壌の修復、汚染の拡散防止対策を行った上で物件の開発を行っています。例えば、首都圏エリアにおける工場跡地での物流施設の開発においては、一部区域にて軽微な汚染が見つかったため、汚染範囲を特定した上で、健全土に入れ替える等の対策を行いました。こうした対策に際しては、外部に汚染された土壌が拡散しないよう、必要に応じて遮水壁を設置するなど、土壌汚染防止対策を行います。

汚染範囲の特定

汚染範囲の特定

健全土への入れ替え

健全土への入れ替え

未開発地域(グリーン・フィールド)での開発に伴う環境への配慮

未開発地域での物流施設の開発あたっては、開発に伴う環境への影響をより慎重に考慮する必要があるため、GLPグループにおいては、ESGに特化した独自のデューデリジェンスによってリスクを慎重に見極めるとともに、環境への影響を低減するため、環境認証を取得する方針となっています。

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